海外FXの税金はバレる?税務署が海外の取引を把握する仕組みと、今からできること
税務署が海外の取引を把握する仕組み
国税庁は、海外取引や海外の資産を把握するための制度を公表しています。海外FXに関係しそうなものは次の3つです。
1. 国外送金等調書
国外への送金と国外から受け取った送金のうち、金額が100万円を超えるものについて、送金者・受金者の氏名・住所、取引金額などを記載した調書を、送金を扱った金融機関が税務署に提出する制度です(平成10年4月施行)。
海外FX業者への入金や出金が「国外送金」にあたるかどうかは、入出金の方法によって変わります(当サイトの推測です。国内の銀行口座を経由する入出金方法を用意している業者もあります)。
2. CRS(共通報告基準)による金融口座情報の交換
外国の金融機関を利用した国際的な脱税や租税回避に対処するため、OECDが策定した国際基準です。各国の税務当局は、自国の金融機関から非居住者が持つ金融口座の情報(氏名・住所・口座残高など)の報告を受け、その人が住む国の税務当局に提供します。日本も実施を約束しており、日本の居住者が海外の金融機関に持つ口座の情報も、この仕組みで日本の税務当局に届くことになります。
利用している海外FX業者の所在国がCRSに参加しているか、その業者が報告の対象になる金融機関にあたるかは、業者ごとに異なります。当サイトでは個別には確認していません。
3. 国外財産調書
その年の12月31日に、国外に合計5,000万円を超える財産を持つ人が、自分で財産の種類や価額を記載して、翌年3月15日までに税務署に提出する調書です。
集めた情報はどう使われるか
国税庁は、CRSで受け取った情報について、資産残高の増減などにも着目し、国外送金等調書や国外財産調書などほかの資料と併せて分析したうえで、海外の金融資産やそこから生じる所得の把握に活用していると公表しています(国税庁レポート2021)。
申告しなかった場合にかかる税金
無申告加算税(申告期限までに申告しなかった場合)
本来の税金に加えてかかります。いつ申告したかで割合が変わります(令和5年分以降)。
| 申告したタイミング | 無申告加算税 |
|---|---|
| 税務署から調査の事前通知が来る前に、自分で申告 | 5% |
| 調査の事前通知の後に申告 | 50万円までの部分10%、50万円超300万円までの部分15%、300万円超の部分25% |
| 調査を受けた後に申告 | 50万円までの部分15%、50万円超300万円までの部分20%、300万円超の部分30% |
次の要件をすべて満たす場合は、無申告加算税はかかりません。
- 期限後申告が、法定申告期限から1か月以内に自主的に行われている
- 納める税金の全額を、法定納期限までに納付している
- 過去5年間に、無申告加算税や重加算税を課されていない
国税庁 No.2024 より。事実を隠したり偽ったりしていた場合には、重加算税の対象になることがあります。
過少申告加算税(申告はしたが、海外FXの分が漏れていた場合)
| 修正申告したタイミング | 過少申告加算税 |
|---|---|
| 調査の事前通知が来る前に、自分で修正申告 | かからない |
| 調査の事前通知の後に修正申告 | 5%(一定の金額を超える部分は10%) |
| 調査を受けた後に修正申告 | 10%(一定の金額を超える部分は15%) |
国税庁 No.2026 より。
延滞税
期限後申告や修正申告で納める税金には、本来の納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて延滞税がかかります。令和8年1月1日〜12月31日の期間の割合は次のとおりです(国税庁 No.9205)。
- 納期限の翌日から2か月以内:年2.8%
- 2か月を過ぎた後:年9.1%
割合は毎年見直されます。延滞税は日数に応じて増えるので、気づいたら早く申告・納付するほど少なくなります。
今からできること
申告していなかった場合:期限後申告
- 申告していない年の損益を集計する
年ごとに、決済済みの損益とスワップを円で集計します。手順は確定申告のやり方とXMの取引履歴の出し方を参考にしてください。 - その年の確定申告書を作る
確定申告書等作成コーナーでは、過去の年分の申告書も作れます。 - 提出して、その日のうちに納付する
期限後申告では、申告書を提出した日が納期限になります。延滞税も併せて納めます。
申告はしたが海外FXが漏れていた場合:修正申告
すでに出した申告書の内容に、海外FXの所得を加えた修正申告書を提出し、増えた税金と延滞税を納めます。税務署から連絡が来る前に自分で修正すれば、過少申告加算税はかかりません。
何年分さかのぼるか、迷ったら
複数の年にまたがる場合や、金額が大きい場合は、提出前に税務署の相談窓口か税理士に相談するのが確実です。自分から相談すること自体が不利になるわけではありません。
会社員で「会社に知られるか」が気になる方は、会社員の海外FXの税金をご覧ください。住民税の仕組みはそちらで解説しています。
よくある質問
海外FXの口座は日本の税務署から見えないのでは?
国税庁は、CRSによって外国の税務当局から日本の居住者の金融口座情報を受け取る仕組みや、国外送金等調書の制度を公表しています。どの業者の情報が届くかは個別に異なりますが、見えないと考える根拠はありません。
少額なら申告しなくても大丈夫ですか?
会社員で給与以外の所得が20万円以下なら所得税の確定申告が不要な場合がありますが、住民税の申告は必要です。金額にかかわらず、ルールどおりに申告するのが前提です。
自分から申告すると、かえって調べられませんか?
税務署の調査の事前通知の前に自主的に期限後申告すれば、無申告加算税は5%と、通知後や調査後より低い割合です。修正申告なら過少申告加算税はかかりません。
次に読む記事
出典
- 国税庁レポート2021 適正・公平な課税・徴収(国外送金等調書・国外財産調書・CRS)
- 国税庁 共通報告基準(CRS)に基づく自動的情報交換に関する情報
- 国税庁 No.2024 確定申告を忘れたとき
- 国税庁 No.2026 確定申告を間違えたとき
- 国税庁 No.9205 延滞税について
- 国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人
この記事について 運営者は税理士ではありません。国税庁などの公開情報をもとに一般的な仕組みを整理したもので、個別の税額や申告方法を保証するものではありません。ご自身のケースは税務署または税理士にご確認ください。情報の確認日:2026-09-29。
海外FXのリスク 海外FX業者の多くは日本の金融庁に登録されておらず、日本の投資者保護の制度の対象外です。出金の遅れや拒否などのトラブルが起きる可能性があります。レバレッジ取引は元本を上回る損失が出ることもあります。取引はご自身の判断と責任で行ってください。